やり続けてもらうことの難しさ、という視点で考えたこと。


記録に残しておきたいので、ブログに載せておきたいと思います。



改革/変化の効果を机上で計算することは、まだ容易なことだが、


その新しい取り組み(今までと違うこと)をやり続けるのが難しい。


人は脳の性質上、変化を恐れる動物なので、


今までとできるだけ同じことをやり続けようとする。


最初は、今までと違うことも意識すればできるが、


いつの間にか、今までと同じことをしてしまうのである。


それは、人間は新しい取り組みを継続的にする際、


そのことを忘れてしまったり、


ちょっとした壁があると、元のやり方が容易いと思い、


元のやりかたに戻ってしまうからである。


この事象を防ぐための対処法は次の3つが考えられる。


① 脳の特性を利用し、しょぼい習慣から徐々に身につけさせる


脳は、変化を拒む性質を持っている。


これは、身体能力の低い人類が、


危険から身を守るために身に付けた人類が生存するために


必要だった特性である。人間は変化を過剰に恐れるが故、


身の回りの危険を敏感に察知し、生存競争に生き残って来たといえる。


猛獣に狙われる危険、災害が起こった場合の対処など、


変化/危険を恐れ、自らの身を守るために、人類はこの脳の特性を


最大限利用してきたのだ。


ここで、その脳の特性を生かし、変化を変化であると、


脳が気づかないほどの小さな変化から実践していくのである。


これまでまったくやっていなかったことを、1日1分だけやる。


それを3分、5分と伸ばしていく。


企業の変革の場合、そんな悠長なことは言ってられない、


と思うかもしれないが、脳科学の視点からすると、


この方法が新しい習慣を身に付けるため、もっとも効率的な方法だと言える。


② 脳が喜ぶ仕組みをつくる


次に、新しい取り組みに、脳が喜びを感じるような仕組みを作ってあげる。

具体的な方法としては、スタンプカードなどがある。


やり方は簡単で、新しい取り組みを1回できると、スタンプカードに


スタンプを押す(印をつけるだけでもよい)。


すると、脳はスタンプカードが埋まることによる達成感を味わう。


新しい取り組み→スタンプ→喜び。という流れになるが、


これを何度も繰り返すことにより、スタンプを押すことに感じていた喜びから、


新しい取り組みをすること自体が、喜びに変わるのである。


これはパブロフの犬の理論と同じである。


犬にエサを与える前に、ベルを鳴らすことを繰り返していくと、

犬はベルが鳴るだけで、ヨダレが出てしまう。


人間の脳も同じように、直接喜びを感じるものではなく、


その前に行うアクションにも喜びを感じることができるのである。

③ 新しいことに取り組む人々に「やらされてる感」を与えないよう工夫する


そして、新しいことを導入する際に、気をつけなければならないのが、


先導を切っている人間の振る舞いである。


彼らが、新しいことをしようとする人々が「やらされてる感」を持たないように


注意する必要がある。


先導を切る人間は、新しいことをして効果があると自分で納得しているので、


前向きに取り組むよう、新しいことをする側の人間に指示を与えるが、


それは新しいことをやる側には「とにかくやれ」という


ネガティブメッセージに捉えられてしまうことが往々にしてある。

大切なのは、


「何のために新しいことをするのか」


「自分たちが取り組むことでどのような成果があるのか」


ということに納得感をもってもらうことである。


指導する側は、実際に作業する側がどのようなことを感じるか、


自分のこと以上に、相手の思いを想像し、言葉をかける必要がある。